俺のものになってよ
うわ、やっぱりかっこいい…
整いすぎた顔立ちに思わず見とれてしまう。
でもそれはほんの一瞬で、次の瞬間には意地悪く笑みを向けられる。
「じゃあ、これからは彼女として。よろしくね藤井さん」
その言葉に、ガックリと肩を落とす。
「か、彼女…っていうのは、やっぱり…決定事項ですかね?」
「当たり前でしょ?」
「えっ、王子の彼女とかあたし絶対刺される」
青木くんの彼女なんてしれたら、女子達になんて言われるか。考えただけでゾッとする
明日から、あたしの平凡ライフはきっと幕を閉じるだろうな。
「大丈夫だって。てか、王子って呼び方やめてよ」
「ごめんつい癖で、青木くんね……あっ!!資料室!!」
「……やっぱり、なんかちょっと抜けてるよね」
あたしを見つめて、ふっと笑う青木くん。
でもその笑顔は、偽りじゃなかった気がする。
藤井 芽依、17歳。あたしは今日
────学校一完璧な王子様の秘密を知ってしまった。