俺のものになってよ
声だけでもうわかる。
告白されてるのは、この学校の完璧王子、そしてあたしの彼氏、青木湊だ。
さすがはモテ王子。
結局あたしと付き合ったところで告白は途絶えず、日常茶飯事なのは相変わらずだ。
「俺、彼女いるから」
「うん、そうだよね。ちゃんと振ってくれてありがとう」
少しだけ震えたようにそういった女の子の足音は、パタパタと遠のいていく。
告白されるのは相変わらず、だけど以前と変わったのはその断り方。
“彼女がいる”
そんな些細なことだけど、実はすごく嬉しかったりする。