俺のものになってよ
「盗み聞き?趣味悪いね」
後ろの壁に手をついて、逃げられないように追い込む。
意地悪く微笑みながら甘い言葉を囁く。
「──────…」
その言葉に、あたしは頬を緩めた。
「もうとっくになってるよ」
そう言葉を返すと、お互い笑いあった。
出会いは、最悪に等しい。
完璧王子とは程遠くて、意地悪で、性悪。
絶対好きになんかなるはずないって思ってたのに。
やっぱり人生何が起こるかわからない。