俺のものになってよ
ふたり手を握り合って、茜色の道を歩く。
「ねぇ、さっきのもっかい言ってみてよ」
「はぁ?言わねぇよ」
「え、なんで〜」
少し拗ねたようにそういえば、クスクスと笑い声が降ってくる。
「しょーがねーな」
「うわっ…」
いきなり腕を引っ張られて、耳元で囁かれる。
「…っ」
「顔真っ赤」
意地悪そうに口角を上げてそういった完璧王子の裏の顔に、あたしは一生振り回されそうです。
『────“俺のものになってよ”』
Fin.