俺のものになってよ
『きゃーーーー!!』
女子達の黄色い歓声が聞こえて、ビクッと体を揺らすと
「あ、王子だ」
美玖がそう呟く。
その声に顔を上げると
すぐ向こうに、笑顔で愛想を振りまく青木くんがいた。
「今日もかっこいいね〜」
なんていってる美玖に、いつもならそうだね。と返すとこだけどあたしは彼の本性を知ってしまった。
それに…
しばらくぼーっと見つめていると、不意に彼と目が合う。
や、やばっ!
思いっきり逸らすけど、多分気づかれた。