俺のものになってよ

あたしは、芽依ちゃんみたいに真っ直ぐな子がすごく羨ましい。



あたしは肝心なところで自分の思ってることが言えなくて、臆病。



だけど、彼女はいつだって綺麗な心で真っ直ぐだった。



だから、それがすごく羨ましかったんだ。





「どっちかっていうと、俺には先輩がヘタレで弱くてボロボロに見えるけど」



「…ちょっと、言い過ぎだから」




「でも、そんな先輩でも俺は好きだよ。そんな先輩が好きなんだよ」




─────好き



そう言われてこんなに嬉しいと思ったのは初めてかもしれない。



それは多分、本当の自分を知っても好きだと言ってくれる人が今までいなかったからかもしれない。




これまで向けられた好意は全て、偽りの自分に向けられたものだったから。




でも、それだけじゃない。