俺のものになってよ
その瞬間
『きゃーーーー!!』
さっきとは別の悲鳴が上がる
う、うるさ…
「…は!?え、ちょっ、何がどうなって付き合うことになったの!!?」
その言葉に、美玖も目を見開いて動揺している。
あたしにも、よく分かりません…
目の前の彼に困惑の目線を送る。
いいから俺に合わせて、とでも言うように目で訴えられとりあえず頷く。
「ずっと黙ってたんだけど、藤井さんとちょっと前から付き合ってたんだ。隠しててごめん」
青木くんは淡々とそう呟くと、じっと見つめていたあたしを捉える。
────ぐいっ
突然あたしの腕を引っ張り、首の後ろに手を回される。
今あたしの目の前は真っ暗で、ふわりと甘い香りがした。
え、何…
頬に少し硬い感触と体温を感じる。
抱きしめられていると理解するのに数秒かかった。