俺のものになってよ
王子が本当は悪魔だってこと、みんなにバラしてやろうか
「そんなことしたら藤井さんが覗き見してたこと言いふらすよ?」
「っ!?」
何故か心の声を読み取られ、ギクリとする。
てか、覗きじゃないってば!
余裕そうに微笑んだ彼はあたしに近づくと
「声漏れてたよ?てか、俺たち恋人同士なんだからさ仲良くしようね?」
そう言ってにこりと笑みをつくる。
め、目が笑ってない…なぜか身の危機を感じて一歩後ずさる。
「恋人じゃないから!仮だから仮!!」
ズバッとそう青木くんに叫ぶ。そこは間違えてもらっちゃ困るからね!
だいたい、なんでこんなことに付き合わされてるんだろ。あたし…
青木くんはたしかに恋人がいるって言えば、告白される機会も減るだろけど。それってあたしにメリットなくない?!
それに嘘だし…
「青木くん、やっぱこんなことやめよ?嘘つくとかさ…それに青木くんと付き合ってもあたしにいいことひとつもないし!」
仮にも学校一人気の王子様だよ?そんな人と付き合ってるってバレた以上、あたしも女子達から反感を買ったはず。
あたしになにかしてくる人もいるかもしれない…
よって、あたしは青木くんといても自分が危機にさらされるだけだ!!