俺のものになってよ
一方、そんな彼とは無縁な生活を送っているのがあたし ───藤井芽依。
至って普通の女子高生。
最初こそこの異様な光景に驚いたものの、今ではもう慣れてきた。
毎日懲りずによくやるなあ、とは思うけど。
そんな事を思いながら教室に向かおうとした時
「──芽依!!おはよ〜!」
後ろから元気な声が聞こえてきた。
「美玖!おはよ〜」
あたしを呼んだのは、クラスメイトの松岡美玖。
ストレートの黒髪とぱっちり二重の大きな瞳がチャームポイント。そして美少女。
彼女とは1年の時に同じクラスになってから、今ではすっかり仲のいい信頼できる友達だ。