俺のものになってよ
「ちょ、そんな顔しないでよ!!まあちょっと寂しかったけど…芽依に彼氏なんておめでたいことだしさ〜!それに相手はあの王子だし!!」
急に目を輝かせた美玖は、興奮気味にそう言った。
さすが、こういうところは乙女っていうか…
でも、あたしのことちゃんと考えてくれてたんだな…
その優しさに胸がじんと暖かくなる。
興奮気味に話す美玖を苦笑いで見つめていると、横で見ていた俊と目が合う。
けど、またふいっと逸らされる。
な、何なんだ。朝といいずっと不機嫌だし…。
もしかして、俊もあたしが何も言わなかったから怒ってるとか…?
そう思い、あたしから目を逸らした俊を見つめる。
「あのさ、俊…その、ごめんね。何も言わずにこんなことになっちゃって…」
途切れ途切れに言葉を繋ぎ、そう俊に向かって言った。
でも、返事は帰ってこない。