俺のものになってよ
やっぱ、怒ってる…?
不安になり顔を上げると
「お前は…男とか興味ないんだと思ってた」
どこか遠くを見てそう言った。
「しかも、相手が青木とか…ありえねぇよ」
ぼそっとそう囁くと、あたしへと視線をずらす。
その瞳は、少し寂しげにも見えた。
「え…?」
そう聞き返すと、さっと席を立った俊はドアの方へと歩き出す。
「ちょっと、俊…!?」
「悪ぃ、ジュース買ってくるわ」
ポッケに手を突っ込みながら、そう言って去っていく俊。
「あー、ありゃ結構重症だね」
やれやれ、と美玖が言うけどあたしにはやっぱり分からなくて。
ただじっと、その背中を見つめていた。