俺のものになってよ
「ねぇ、ちょっと俊…っ」
「ごめん、俺。────…芽依が好きだ」
一瞬、聞き間違いかと思った。
「……え、今なんて…」
頭がよく働かなくて、もう一度聞き返すけど
「…好きだ」
やっぱり答えは変わらなくて。
え、嘘…でしょ。
いきなり放たれた言葉に、頭の整理がつかない。
だって、ありえない…あたし達は幼なじみだ…。
なのに、なんで…
「冗談…でしょ?」
俊の腕から逃れ、そう言うけど
「ここで冗談言うと思うか?」
顔を上げて、俊を見るとその顔は真剣で真っ直ぐ、でも切なげにあたしを見つめていた。