俺のものになってよ



「もっかい、ちゃんと言う。俺は…



芽依が好きだ」



しんとした街路に、俊の凛とした声が響く。



その瞳はもう答えなんかわかりきってて…



無性に、泣きたくなった…。





あたしも、真っ直ぐに見つめ返す。






「……ごめんなさい」




そう言って、目を伏せた。



これがあたしの答え…。



そんなあたしを見て、ふっと微笑んだ俊は



「うん、ありがとう」



そう言って目を細めた。







< 77 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop