俺のものになってよ




「ちょっとあんた…聞いてんの!?」


そんなことを考えていると、あたしが無視していると思ったのか思いっきり肩をドンッ────と押される。




「ぅわっ…!?」


いきなりのことに耐えきれず、そのまま後ろに倒れて尻もちをつく。



いっ、た…



手のひらを見ると、少し擦りむけて血が出ていた。



「あんたみたいなのと付き合ってるなんて…湊様はね、あんたが近づいていいようなお方じゃないの」



「さっさと別れなさい!」



「身の程知らずもいいとこよ!」



「ちょっと可愛いって噂されてるからって、調子乗ってんじゃないわよ!」




言いたい放題言われて、正直あたしの我慢も限界だった。



なんでここまで言われなきゃいけないの?




怒りに体が震える。




それをあたしが泣いていると勘違いしたのか、さらにヒートアップしていく。





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