俺のものになってよ
「ったく、ほんと危なっかしいよね。あんたって…」
そう言ってあたしの方を振り返り、少しふっと微笑む。
差し込む太陽の光が、綺麗な茶色い髪をキラキラと照らす。
その姿に少しドキッと胸がなる。
一瞬、本物の王子様かと思った。
青木くんはそう言うと、先輩の手を離し彼女たちを鋭く捕らえる。
「この子、俺の彼女なんだけど…あんまりひどいことしないで貰えるかな?」
「っ…」
地を這うような低い声。鋭く光る鳶色の瞳。
ゾクリとするほど冷たく、思わずピクっと肩が揺れる。
「湊…様?」
少し普段とは違う彼に、戸惑いを隠せない彼女たち。