俺のものになってよ
不思議そうに見つめれば、ふっと目を細め優しく見つめられる。
「やっぱ、変なやつ…。でも、ありがとう」
────ドキッ
まただ…
青木くんのこの表情を見る度に、胸が変にうるさくなる。
なんで…?
うーん、と考え込んでいると手をぐいっと引っ張られる。
「行くよ」
「行くって、どこに…!?」
「保健室、怪我してんでしょ」
あ、そうだ。さっきの傷…
手のひらを見ると、赤く擦り剥けていてヒリヒリと熱く痛む。
でも
傷よりもどこよりも、青木くんに掴まれた手首がジンジンと熱い。
なんて、気のせいかな…?
目の前の大きな背中を見つめ、ドキドキと高鳴る心臓に気付かないふりをした。