繋いだ指が示す未来
幽霊教室
✲*゚
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矢倉歓迎会から1週間後。
体育の時間。
女子はステージ側で
バレーをしていて
男子は出入口側で
バスケをしていた。
私のチームは今休憩中。
「ねぇ、凛。
幽霊教室って知ってる?」
6人の1人である結愛(ゆあ)が
私に言った。
「初めて聞いた」
「なにそれ、私も知らないんだけど」
私の隣に座っていた
果歩(かほ)が身を乗り出した。
果歩もまた6人のうちの1人だ。
「部活の先輩の話なんだけど
東棟3階の隅っこに
西棟新校舎ができてから
使われなくなった
旧視聴覚室があるんだけど
そこがねえ、出るって」
結愛が不敵な笑みを浮かべた。
「幽霊教室って言われてて
誰も近寄らないらしい」
誰も近寄らない・・・・・・
最高の教室じゃん。
そんなことを思う私とは裏腹に
果歩は
「こっわ!やっば!」
と体を震わせた。