繋いだ指が示す未来
「いつも人いないから
びっくりしたよ。
まあ立花だからよかった」
矢倉はそう言って
私の隣の席についた。
矢倉の昼ごはんは
購買のパンだった。
「矢倉いつもここに来てるの?」
「そうだけど」
私は、
確かに昼休みになると
矢倉の姿を見ないことを思い出した。
「ここ、幽霊教室って言われてるんだよ」
「マジ?やばいじゃん」
「矢倉が幽霊の正体だったりしてね」
私が冗談でそう言うと
矢倉は妙に苦い顔をした。
「ありえる」
ありえるのか。
「あー!立花、笑った!!」
「誰だって笑うよ。
大袈裟だなあ」
「仮面じゃないやつ!
レアなやつ!」