繋いだ指が示す未来
「あー、はいはい」
私は騒ぐ矢倉を軽く流した。
「立花って
普段明るくしてるけど
本当はめちゃくちゃドライだよな!」
「そう言うけどさ
矢倉だって
普段周りに気配りしてるけど
中身だいぶこどもだよ」
矢倉が私といる時にする
無邪気な笑顔は
純粋なこどもみたいだった。
「そういえば
ピアノ超うまいじゃん!」
「エレクトーンね」
「今のなんて曲?」
矢倉が興味津々に聞いた。
「タイトルはないよ」
「え、そうなの?」
「私が作った曲。
あえて無題なの」
私が笑うと
矢倉は真っ直ぐ私を見た。
「あの曲、すごく好き。
1番素の“立花凛”が出てると思う」