繋いだ指が示す未来


「うるさいなあ。

黙って食べさせてよ」


私は意地っ張りな態度をとってしまった。


そしたら矢倉は
私の頬に手を伸ばした。


「な、なによ」

私は触れられる前に
自分の手で頬を守った。


「米ついててさ」


「言ってくれるだけでいいよ。

自分でとるし」


私は頬についた米粒を探したが
どこにもある気がしなかった。


「え?
どこら辺についてる?」



矢倉を見ると
矢倉は意地悪な顔して笑っていた。


「騙したな」


キッと矢倉を睨む。


「いやあ、ツンツンされたら
いじめたくなるじゃん」


なんだコイツは。

チャラ男だ。油断ならない。


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