繋いだ指が示す未来
私はサッサとご飯を食べて
片付け始めた。
「誰かと食べると楽しいな。
俺、今までひとりだったから」
矢倉は寂しそうな顔をして私を見た。
「な、なに」
あまりにも私をじっと見るから
警戒してしまう。
「ねぇ、今度からさ
2人で食べよう」
矢倉が顔を赤らめて
もじもじしていた。
フッ。
「おい!今鼻で笑ったな!!」
「いやあ、ごめんごめん」
「俺、頑張って言ったんだよ」
わかってる、わかってる。
馬鹿にするつもりはないけど
すごく可愛らしく見えたんだ。
「いいよ。食べてあげる」
また意地っ張りな態度をとったけど
矢倉は満面の笑みで立ち上がった。
「じゃあ明日もここで」
私たちは幽霊教室を後にした。