繋いだ指が示す未来
「ねぇ、明日休みだしさ
碧の歓迎会やろう!」
私の隣の席が
彼___矢倉であるため
休み時間、私の隣は毎日騒がしかった。
「え!いいの?
やったあ」
今日とて変わらずに
男女6人が楽しそうに話している。
こう客観する私も
実はその6人に含まれているんだ。
「みんなでカラオケ行こうよ」
私が明るく言うと
みんな同意した。
正直、カラオケなんて
全く好きじゃないけど
みんながそれを望むことを
知っているから
私は代表して言った。
「カラオケかあ」
矢倉は不思議そうに私を見た。
なんだろう、この視線は。
妙にビクッとしてしまう。
全部見透かしているような
そんな視線だったから。