繋いだ指が示す未来


✲*゚

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放課後

矢倉歓迎会が駅前のカラオケ店で開かれた。


主役の矢倉も含め
みんな好き放題歌った。


私はそれをタンバリンをふって
ただただ聞いていた。



「凛(りん)、お前曲入れた?」

宇佐が私の隣にわざわざ来て
腰を下ろす。


「あー、まだ」

と思わず苦い顔をしてしまう。


「じゃあ俺と一緒に歌おうよ」

宇佐は私の肩に腕をまわした。



「んー、えっと、ごめん。
ちょっと私、トイレ行くね」


私はすぐに宇佐の腕をぬけて
個室を出た。


宇佐は決して悪いやつじゃない。

でも
私のパーソナルスペースに
ずかずかと入ってくるところは
本っ当に苦手だった。


「はあ」

結局私はトイレには行かず
長椅子に座って休んだ。


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