瞳に太陽、胸に星 ~誤解から俺様アイドルに付きまとわれてます(困)~


「ねえ奈々」
「ん?」
「秋田君ってさ、なんの病気かとか何か知ってる?」

帰り道、地元駅に着いたところで、あたしはずっと話題に出さないようにしていた秋田君の名前を、奈々に投げかける。

奈々は驚いた顔をして、でもすぐにパっと花が咲いたみたいな笑顔になった。

「ちとせぇ! やっとその気になった? 秋田君、やっぱ気になるんだ?」
「そんなんじゃないってば、もう」
「秋田君ね、聞いた話じゃ小さい頃から体弱かったらしいよ」
「そうなの? めちゃめちゃ健康に育ってそうなのに」

奈々は待ってましたとばかりに知る限りの秋田君情報をあたしに教えてくれた。
誰かが、先生と秋田君が話しているのを聞いたらしい。
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