瞳に太陽、胸に星 ~誤解から俺様アイドルに付きまとわれてます(困)~


「あ、ごめ……調子乗って変なこと言っちゃったね、ホントごめん」
「違……奈々のせいじゃないから、あたしこそごめんね」
「ちとせ……、また、高崎先輩のハナシ聞くからね? 思うことあったら、遠慮しないで言ってね」
「うん、ありがと。ちょっといろいろあって……こんど話すから」
「そっか。わかった。んじゃまた明日ね!」
「うん、ばいばい」

ぐすぐすと鼻を鳴らしながら商店街を脇に抜ける。
奈々の家は商店街でケーキ屋さんをやってるの。

地元だから、この商店街には同じ中学に通っていた子たちも多い。

というか、お店の大人たちはだいたいみんな小さい頃からあたしを知っている。
だから、こうして泣いているのを見られたくなくて、奈々のお店を過ぎたところで路地を一本入ったんだ。

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