瞳に太陽、胸に星 ~誤解から俺様アイドルに付きまとわれてます(困)~


もうすぐ四月も終わるというのに、あたしはまだ中学の頃のことばかり考えながら過ごしていた。

昇降口から外を見ると、暗い下駄箱からは玄関のフレームで四角く切り取られた校庭が陽の光を眩しく反射している。

その校庭に爽やかな朝の放送が響く。
ここは、放送が盛んだから入りたいって、先輩が言ってた。

確かに、ただの校内放送じゃなくて、なんかもう朝のラジオみたいな感じだ。

先輩がいたら、きっと担当の曜日とか時間のたびに先輩の声が聴けたんだろうな……

あたしは胸がズキズキ痛くて、四角い光から目を逸らして耳を塞いだ。

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