瞳に太陽、胸に星 ~誤解から俺様アイドルに付きまとわれてます(困)~
だって毎日のようにどこかで何か起こってる。
あたしの身近では見たことも聞いたこともないような恐ろしい犯罪やいたましい事故が、あたしの知らないところで、起きている。
つまりあたしは麻痺していたし、自分には関係のないこととタカを括っていた。
それよりもその時のあたしにとっての大事件は、前日にした先輩への告白が成功したことだった。
晴れてカレカノになったあたしのスマホに届いた『お土産たくさん買ってくるね』の文字を穴が開くほど見つめて、お母さんに気味悪がられるようなニタついた顔で、スマホを持つ手をパンと牛乳に持ち替えて、朝にお似合いの若手女優がカップスープを飲んでるのとか、テーマパークが春休みで学割キャンペーンをしてるコマーシャルなんかを、呑気に眺めていた。
その二分後、あたしの日常が、
あたしの新しい春色の日々が、
全て変わってしまうことなど、微塵も考えずに。