瞳に太陽、胸に星 ~誤解から俺様アイドルに付きまとわれてます(困)~


「いーやお嬢さん、そんな恰好でどこから来たか知らないが、それなら病人に見えると思わないかい?」

運転手さんが、おかしなことを言い始めた。

「時間外窓口のほうに付けてあげるから、そっから入んな。そしたらもうどう見たって、サイフとケータイだけ持ってうろついてる入院患者だよ。売店でも行くような顔で歩いてれば誰も気に留めないさ」
「運転手さん……!」

確かにこの恰好なら、そう見えるかもしれない!

あたしは改めて自分の着ている服を見て思った。

ラベンダー色の、パイルジャージ。
今更ながら恥ずかしいくらい、部屋着だ。
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