瞳に太陽、胸に星 ~誤解から俺様アイドルに付きまとわれてます(困)~

重たい足をなんとか動かし、エントランスに辿り着いた。

チケットスタッフに衝撃を与えてしまったようだ。
無理もない。

コートも着ない制服姿で息を切らし、膝から下は血だらけで、足元は上履き、あたしはそんな状態だったから。

「あの、大丈夫ですか?」
「大丈夫です! それより早く中へ!」

心配してくれてありがとう。
だけどあたしには時間がないんだ。

席もわからず一番近くの扉に走り、それを押し開けた。

そこにあったのは。

クリスマスの谷宿よりも眩しくて、
ファンの熱気と歓声が溢れかえる、
圧倒的な別世界だった。
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