瞳に太陽、胸に星 ~誤解から俺様アイドルに付きまとわれてます(困)~


笑うと可愛くて、真剣な表情は凛々しくて、颯爽としたキレのある、流れるようにしなやかなダンス、歌うときの目の動きは、目が合うと息が止まりそうなほどに、甘くて。

ああ、これがパルなんだ。
みんなを魅了する、アイドル。

その存在感はあまりにも大きくて、あまりにも遠くて。

そんな人があたしを好きだなんて、やっぱり何かの間違いか、そうじゃなきゃただの気まぐれなんじゃないか、って、思えてきて。

お前のために構成した、なんて言葉を真に受けて走ってきた自分がバカみたいに思えてきて。

秋田君を好きになったりしないで、あのままずっと先輩を想って、暗くて冷たい川の底に沈んでいればよかった、秋田君みたいな眩しい光を目指して煙みたいに昇ってしまったせいで、煙になったあたしは風にかき消されて、もうバラバラ。

いじめにまで遭って、本当にバカみたいだ。
< 438 / 503 >

この作品をシェア

pagetop