瞳に太陽、胸に星 ~誤解から俺様アイドルに付きまとわれてます(困)~


裸足のまま連れてかれたのは、谷宿だった。
電車の中でも、着いたホームでも、みんなあたしの足をチラチラ見てた。

たった三駅、車内でシートに座ってる時以外はずっとおんぶ。
もう恥ずかしくてたまらなかった。

「これのどこがデート?」
「いいからいいから」

そう言って朗らかに鼻歌なんか歌いだして、慣れた様子でずんずん進んでく秋田君は、一体何者なの?

聞きたいことは山ほどあって、おんぶで秋田君の耳がすぐそこにあって、なのに、あたしはなんとなく、無言で背中にへばりついてた。

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