瞳に太陽、胸に星 ~誤解から俺様アイドルに付きまとわれてます(困)~
「よし、着いたぞ」
「へ? ここ?」
秋田君があたしをおぶったまま入った建物は、谷宿のオシャレな感じゼロの雑居ビル。
半地下の階段を降りて、更に地味な雰囲気。
その通路の一番奥、光の届かない黒い重たそうな鉄のドアに秋田君が手を掛けた、その瞬間。
「わ! 何、何?」
開いたドアの向こうから大音量の音楽が聴こえてきた。
「俺のお気に入りの場所。ぜってー誰にも言うなよな」
「う、うん」
あたしはその外と中のギャップに、ただ、息をのんだ。