もういいかい?
「海晴先生、ちょっといいですか?」

バイトの前に、相談するふりで状況を説明することにした。

「今から僕は、悠人先生に頼まれて唯先生を連れ出します。
運動会の曲を選んでもらうという名目で
夕ごはんを食べさせて、自宅まで送り届けることになりました。
なので、先生達は僕の曲選びに都合が悪くて付き合えないと
言って下さい。」

「了解。
でも、幾ら唯ちゃんの為とはいえ……悠人先生も残酷だよね。
航にこんな事を頼むなんて。
分かった、協力する。
私達もどうしようもなくて困っていたから助かる。
航、頑張って。
成功したら、ご褒美にいつもの居酒屋で奢ってあげるから。」

「ホントですか?
だったら今回は、居酒屋じゃなくて昼間に付き合ってもらっても良いですか?
後、僕ホントに唯ちゃんじゃあなくて別の人を好きになったので………
誤解されたくないから『唯ちゃんが好き』っていうのは
頭から消しておいて下さい。」

僕のお願いにびっくりした顔をしていたけど……

「うん、分かった。
ホントに好きな人が出来たんだね。
誤解されたくない航の気持ちが分かったから
もう唯ちゃんの事は言わないし
頭から消しておくね!」
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