シャンパンを飲む猫1

彼との出会い


剛先輩は目がぱっちりしてて明るくてフッ軽な他校の写真部の先輩だ。友達のアンに勧誘されて渋々入部した写真部の他校との交流会で先輩と意気投合した私はあっという間に先輩を好きになった。アンと私と先輩と先輩の友達の4人でドライブしながら写真撮影会もしたこともあり、私の先輩に対する恋心はヒートアップしちゃったんだけど、、、。


セフレになってしまっても諦めきれない私は先輩の憧れのカメラレンズを買って夜景撮影に誘う計画を考えた。アンと放課後カメラショップに行って見てみると、なんとお値段18万円!!
大学生の私にはとてもじゃないけど高すぎる。
撃沈だよ、、、。けど諦めきれない、、。


「18万のレンズってなに?買えるわけないよね、、、。でも今月までの特別価格らしいの」

大学の食堂でポテトをタバコのように咥えてため息なんてつきながらクラスが同じで悪友のマナに愚痴る。マナは単位のためならカンニング方法を10個も考える才能がありながら休みがちで結局単位ギリギリになるやんちゃな女の子で私はそんな彼女と一緒にいて楽しい。

「18万か〜、、、。高いね〜。じゃあさ、パパ活やってみたら?アプリもやり方も教えるよ!

マナはポテトをかじりながらスマホを私に見せてきた。
パパ活って聞いたことあったな、、。確かおじさんとご飯食べてお小遣いもらえるやつ??

私はマナのスマホを見てハテナでいっぱいになった。
「大人ってなに?」
「ああ、それ?簡単に言うとヤることだよ」

私の心はその言葉に一気に冷たくなった。
え、おじさんとセックスするの??

マナを見るとあっけらかんとしててなんともないような顔だ。
「マナ、その、、大丈夫なの?心の面とか、、」
「最初はきつかったよ。けど1時間くらいで3万とか5万稼げるならいいかなって。気持ち割り切るようなった!私さ、学費自分で払ってるけど遊びたいし!」
マナの底抜けて明るい様子に段々私も乗り気になってきた。

「試しにやってみるか、、、」

私はアプリをインストールすると早速アポ取りを始めた。


放課後、私は指定されたドンキ向かえのコンビニのトイレでメイクチェックをしていた。約束の時間まであと10分。ホテル街そばのドンキなんてなにをしたいのかアプリでやり取りしたとはいえ見え透いててキモイ。

やっぱりやめようかな。

そう思った私の頭に剛先輩と夜景を撮りながら笑顔の私が浮かんだ。

いや、やるしかない。先輩に振り向いて欲しい!

私は覚悟の証で赤リップを塗ると信号機目指してコンビニを出た。

約束の5分前、待ち合わせのドンキを信号機待ちしながら見つめるとアプリでやり取りしたであろう男性を見つけた。
スマホをじっと見つめててメガネで小太り、その上夏なのもあるけどTシャツは汗まみれ。

え、、パパ活してる男の人って余裕のある紳士的な人じゃないの、、??

私は男にバレないように走って信号を渡ると物陰に隠れた。
気持ち悪い、いやだ、無理、、、。
負の感情で頭がいっぱいになる。あんな人と2人きりになってセックスするの??

もう帰ろう

そう思った私の頭に笑顔の素敵な先輩の顔が浮かんだ。
先輩に好きって言われたい、先輩と付き合って幸せになりたい。私の気持ちはこんなものじゃない!!
私はなんとか気持ちを奮い立たせて男を探した。けど、もういなかった。

アプリを見ると最速の鬼メッセージ。
急いで連絡しても返信はないから、ブロックされたんだ。

やっちゃった、、どうしよ、、、。


先輩と夜景を見る夢が遠ざかったように感じた私はめちゃくちゃ落ち込んで近くのベンチに座り込んだ。
そんな私の前に誰かが立ち止まった。

さっきの男の人かな?

顔を上げるとそこには銀髪に近い明るい髪の男の子が立っていた。

「お姉さん、今何してるの?」



それが彼との出会いだった。











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