探偵助手、最後の事件
「そうですね。アンティークの机や椅子、落ち着く雰囲気の事務所は先生にピッタリだと思います」
「…俺は犯人の証拠がないのかという意味で尋ねたのだが?」
「あ、そうですね。私としたことが…」

先生が死んだショックで見当違いな答えをしてしまい、私は慌てて辺りを見回す。
事務所は死んでいる先生を除けば、整頓された綺麗な物だった。荒らされた形跡はなく、物盗りが侵入して先生を殺したのではないだろう。

「事務所に変わった所はありませんね。どこも荒らされてはいません」
「俺から見てもそうだな。おかげで凶器がすぐ見つかる」
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