ぶっ飛び小話
「そっか。とりあえず、アイルはラルム様の気持ちが迷惑な訳じゃないんだね」
「迷惑なわけ無いです。ラルム様にそう想って貰えるのは…凄く贅沢で、嬉しい事です」
そう言い切ると、ルナ様…満面の笑み
「じゃ、後のことはラルム様に任せるね」
「え?」
そう言うと、ルナ様はくるりと方向転換して部屋の扉を開ける
そして、ルナ様と入れ違いに入ってきたのはラルム様
「…ごめんね。驚かせて…僕も、こんなタイミングで言っちゃうとは思わなかった。でも、どうしてもアイルがお見合いするのは…見逃せなくて」
シュンっと小さくなるラルム様
年上の男の人なのに…弱った子犬のようだ
「ラルム様…お願いを聞いてもらえますか?」
お見合いを断るには、両親も、お見合い相手も納得させる必要がある
「お見合いを断りたいんです。…その、私…ラルム様をもっとよく知りたい…です」
元主人だとか、王族だとか…
そういう遠慮の壁を越えてラルム様と向き合ってみたい
そうすれば…気持ちに答えが出ると思う