ぶっ飛び小話
薔薇園を後にして、足が向かったのは自室
貰った植物標本を割ったりしないように気をつけて持ち歩く
歩きながら頭の中で、この綺麗な瓶を飾る場所を考える
本棚の上に飾ろうか
でも、そこだとあまり目につかない
私はコレを日々眺めたい
では、窓際に飾ろうか
しかし、そこだと窓の開閉時に落としてしまう可能性がある
それは、嫌だ
ベッドサイド?
いや、ダメだ
寝ぼけて叩き落としたら悲しい
っとなると、デスクか…
自室の机の上を思い出し、ため息ひとつ
「片付けるか」
色々な資料や書類
読みかけの本などが積んである自分の机
ちゃんと片付ければ、この植物標本も飾れる
片付けて綺麗になった机にコレを置く
色のない部屋が少しだけ色付く気がする
そんな想像をすると少しだけ気分が高揚する
「…ムウに感謝ですね」
そう呟く自分の顔が、信じられないほど緩んでいたのは…秘密です
END