許せない青空

 ガラス越しに見える街の風景。ほんの数日前までは好ましい賑やかさだった。今は古い白黒写真のように見える。



 何もかも、どうでもよくなった。数ヶ月後には私はもうここには居ないのだから。こんな時に最後に会っておきたい男の一人もいない。



 頭の中に自分のお葬式の絵が浮かんだ。歴代の男たちがズラッと並ぶ。そんな心配もない。



 何だったんだろう私の人生。生まれて来なければ良かったのに……。そう思って両親の顔が浮かんだ。

 父が亡くなり、その二年後、母が亡くなり。

 母の最期の言葉
「麻琴……まこと……幸せになるのよ……」

 お母さん、ごめんね。私は幸せにはなれなかった。でももうすぐ、お母さんとお父さんの傍に行くから。




「あのう……。どこか悪いんですか? 顔色、良くないですよ」相席の男。

「顔色だったら、あんたの方がよっぽど悪いわよ」

 少なくても睡眠不足の夜遊び男に言われる覚えはない。めちゃムカついて席を立った。
< 3 / 7 >

この作品をシェア

pagetop