大晦日のお願い

「願いを叶えるってさ、それほど込める気持ちがあれば、」

「10回言わないと駄目だぜ」


「はぁ?」


「願いを叶えたい。叶う。口に十と書いて叶うなんだ。」


「え?たしか……に。」


「だから俺は、今年の最後に来年に叶えたい事を言う!」


「は、はぁ。」



「よし!」

「俺はここにいる彼女と結婚したい!」

「俺はここにいる彼女と結婚したい!」

「俺はここにいる彼女と結婚したい!」

「俺はここにいる彼女と結婚したい!」


「え、いや、え、えぇーーー!!」


「俺はここにいる彼女と結婚したい!」

「俺はここにいる彼女と結婚したい!」

「俺はここにいる彼女と結婚したい!」


「いや、そりゃ、まぁ嬉しいけど、ちょっと回り!誰もいない。でも、え、えー!」


「俺はここにいる彼女と結婚したい!」

「俺はここにいる彼女と結婚したい!」

「俺はここにいる彼女と結婚したい!」



「よし、10回言った。終わり!」

「さぁ、行こう!」




「あの、いや、えと、あ!私、まだお願いしてないし」

「願い事、まだ決めてなかったし……」


「なら、この人の気が変わりませんように。でも、言ってみたら?」


「ん、もぅ……」
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