お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
「そっか、良かった……結婚式とかしたくない派なのかと思ったよ」
「そんな、まさか……憧れですもん、結婚式」
いつか、巡り合って想い合った人と、幸せな結婚式を挙げたいと思ってきた。
そんな淡い想いが、いよいよ実現しようと迫ってきている現実に、未だに夢ではないかと思ってしまう。
こんなに素敵な人の奥さんに、自分が本当になるのだろうかと。
「なんだか、全部夢なんじゃないかって……」
「夢……?」
「はい……潤希さんに好きだと言ってもらえて、プロポーズしてもらったこととか、全部……」
そう言うと、潤希さんはベッドの中で私を抱き寄せ、額にキスを落とした。
「夢じゃ……俺も困るよ」
「え……?」
「やっと、手に入ったのに」
どきんと鳴った鼓動が、また大きく音を立てて動き出す。
疲れ知らずの心臓に感心しながら、私からも潤希さんの首筋に両手を回した。
「里咲のウエディングドレス姿、今から楽しみ」
「違いますよ、楽しみなのは潤希さんのタキシードです」
「何回お色直ししようか?」
そう言った潤希さんは、考える私をふっと笑い、甘くて温かいキスを落とした。
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