お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
挨拶だけして自分の部屋に引っ込もうと思っていたところ、紀子伯母さんに「とりあえず座って」と手招きされる。
私に話って、まさか……。
紀子伯母さんの向かいのソファに腰を下ろすと、母親もそそくさと紀子伯母さんのとなりに腰を落ち着けた。
「お見合い、してみない?」
……やっぱし。
にこりと笑って、紀子伯母さんは私の返事を待つ。
そのとなりの母親まで目をキラキラさせてこっちを見ているものだから、どこを見ればいいのかわからなくなってしまった。
「お見合いって……また? やだよ、しない」
「えぇ⁈ どうして?」
「どうしてって、嫌だから」
過去に一度、紀子伯母さんが見合い話を持ってきて、その席に顔を出したことがある。
伯父さんのお付き合いがある教授のお孫さんとかで、私より一回り以上歳上のお医者様だった。