お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~


お見合い写真では真面目そうな方という印象で、会って話してみると自分の話を永遠とする疲れる男性だった。

私自身も人のことを言えた立場ではないけれど、あまり女性と接してきた経験がないのだろうと察してしまったほど。

喋りに余裕がなく、こちらの発している微妙な反応にも気付いていないようだった。

もちろん、そのお見合いの席のあと、個人的に会ったりなどという展開は有り得なかった。

紀子伯母さんには申し訳なかったけれど、はっきりとお断りさせていただいた。


「嫌って……そんなこと言わないで、一回会ってみなさいよ」


押してくる紀子伯母さんに同調して、母親まで「そうよ、のんちゃんの言う通り!」なんて言ってくる。


「お見合いなんて、全く知らない人といきなり結婚前提に話を進めるんだよ? 前に会った人も、伯父さんと伯母さんには悪いけど……結婚なんて考えられなかったから」

「前回はそうだったかもしれないわ、歳も里咲よりかなり上の方だったし。でも、今回のお相手は三十歳よ、今年、三十一だと聞いたから、里咲ともそんなに歳も離れてないし」

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