お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
私の主張は華麗にスルーして、紀子伯母さんは話を進めてくる。
このままでは、伯母さんと母に上手いこと丸め込まれて、またお見合いの話が進められてしまう。
そんな焦りから、私は勢い余って「私!」と声を上げていた。
「今……お付き合いしてる方もいるから」
口から出まかせでそう言ってみると、二人は姉妹らしく「えっ⁈」と声をハモらせる。
「だから、お見合いとか考えられないし、無理だから。お断りして」
「えっ、ちょっと、里咲」
紀子伯母さんの引き止める声に足を止めることなく、リビングの扉に向かっていく。
背を向けても二人がまだ何か言っていたけど、そのまま部屋をあとにした。
合コンや婚活で出会いを求めたりは確かにしている。
だけどそれは、私にとってはきっかけにすぎなくて、そこから恋愛をして、その先に結婚という未来を考えられたらと思っているから。
よくわからない人と結婚を前提に会うお見合いとは訳がちがう。
ちゃんと自分が好きになった人と結ばれて、結婚したい。
そう思うことは、婚活が上手くいかない私には難しいのかな……?
二階にある自分の部屋へと閉じこもると、深いため息が出ていた。