お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~


「ま、まぁ、もし? そういう役で困ったら、俺が買って出てやっても――」


有り得ない、よね?

バレようもないし、上手いこと誤魔化して時間稼げば大丈夫……。


「――って、おい、聞いてんのか?」

「……あ、ああ、うん、ごめん。第二会議室片付けて、そのままお昼行ってくるね」

「え? あ、あぁ、了解……」


朝イチであった会議の後片付けをしてからお昼に行こうと、お財布だけ持って席を立ち上がる。

十二階の会議室に上がり、担当した第二会議室に入ると、すでに電気が落とされ、誰の姿もなかった。

置いていかれた開栓済みのお茶のペットボトルと、使用済みのプラスチックカップを手早く片付け、席をチェックしながら椅子を整頓していく。

トレーを持って会議室を出ると、となりの第三会議室から人が退出してくるところに遭遇した。

壁際に寄り、通行の邪魔にならないように給湯室を目指す。

開け放たれた第三会議室に差し掛かったところで、現れた長身に足を止められた。

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