お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
衝撃的なお見合い
早朝、六時過ぎ――。
週末の朝は、決まって全員の起床が遅い我が家。
しんと静寂に包まれるその家の中で、着替えを済ませ、バッグを持ち、そっと自室のドアをあとにする。
昨日の金曜日、仕事から帰ると母親からいきなり「明日はお見合いよ」と衝撃的な事実を告げられた。
そんなの聞いていないし、了承もしていない。
そう反論すると、「あとのことはいいから、とにかく行くわよ」なんて、なんとも強引に丸め込まれてしまった。
話して通じないなら、こっちだって強硬手段に出てやろうと今に至る。
気付かれる前に家を出て、行方をくらませてやろうという魂胆だ。
この時間に出ていけば、誰にも見つからないはず……。
階段を降り切って、明かりのつかないリビングにホッとしながら玄関でスニーカーに足を入れたところで、いきなり正面の玄関の扉が開かれた。
「里咲? あんた、どこ行くのよ」