お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
ガチャっと開くはずのない扉が開いて、ギクリと石像のように全身が固まった。
動けない私の前に姿を現したのは、なんと紀子伯母さん。
こんな早朝に、何故⁈
「の、紀子伯母さん……なんで」
「今日は大事なお見合いだから、早めに来たのよ」
早めって、早すぎじゃない⁈
「それに、彩子(さいこ)があなたが逃げ出しそうだからって言ってたからね」
お、お母さん……一枚上手だったのね……。
「まさか、こんな早朝から逃げ出そうなんて気じゃないわよね?」
全て見透かされた上で言われていて、私は黙って靴を脱ぐことしかできなかった。
もう一度考え直してもらおう。
私はお見合いをする気はない。
その主張をするも虚しく、紀子伯母さんと母親に無理矢理連行され、私はあっという間に着付けとヘアメイクを施されてしまった。