お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
呆然としているうちにお見合いの席は和やかにスタートし、私の前にはやっぱり本物の成瀬副社長。
紀子伯母さんが間を取り持ち、両家の親たちの会話も徐々に弾み始める。
私はいつまでも気持ちの整理ができず、伏し目がちにテーブルの上に並ぶ上品な品々を眺めていた。
「そうなんですよ、まさか里咲が成瀬さんのところでお世話になっていたなんて、初めは知らなくて」
お見合いの話を持ってきた紀子伯母さんが、そんなことを成瀬副社長のご両親に話している。
勤めているメディカ新薬工業の社長であるお父様にも、こうして間近でお会いするのは初めてのこと。
まさか、こういったお見合いという席で直接ご挨拶をすることになるとは思いもしなかった。
でも、お二人を前にして納得がいく。
まさに、この親にしてこの子あり。
成瀬副社長のご両親は揃って気品のある素敵な方々だった。