お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
呆れたような、小馬鹿にしているような、意地悪い微笑を浮かべて、曽根が私を見下ろす。
曽根はこうやって、私のデリケートな事情にいつも口を挟んでくる。
余裕からくる、高みの見物という感じだろうか。
「頑張るよ。曽根はいいよね、そういうの無縁で。羨ましいよ」
「必死になればなるほどダメだろ、そういうのって。ってことは、この間の婚活パーティーは収穫なしだったんだな」
ことごとく残念なことを突っ込まれて、ため息が出てきてしまう。
無言になるとプッと頭上で吹き出された。
「まぁ、そんな大人の女の魅力もないんじゃ、誰も嫁にもらってくれないだろ」
「もう、うるさいよ、放っておいて!」
ほんと、余計なお世話すぎる。
好き勝手言われないためにも、早いところいい出会いに恵まれたいものだ。
「――はい、二本ですか? わかりました、すぐに伺います。……里咲先輩、広報で蛍光灯二本切れたみたいなんですけど……」
となりのデスクで電話を取っていた二年後輩の美代子ちゃんが受話器を置き、私へと身体を向ける。
困ったように語尾を濁すところを見て、すかさず「いいよ」と微笑んでいた。