お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
自分に自信がない。
顔も、スタイルも、中の下。
歳だけは立派なアラサーだけど、童顔のせいもあってか大人っぽさに欠ける。
そんな私みたいなのが、誰もが憧れる成瀬副社長みたいな方とだなんて、そんなの無理に……。
「それなら俺が……誰が見ても口説きたくなるような女性に、君を変えてあげようか?」
えっ……?
掴んでいた手を持ち上げられて、その指先に口付けを落とされる。
ナチュラルな成瀬副社長のその行動にさえ肩を震わせ、私は見事に硬直してしまう。
「今でも十分可愛らしいけど、君が自分に自信が持てるように、俺がもっと素敵にしてあげる。そうすれば、この縁談は進めても構わないということかな?」
「そんな……本気、なんですか……?」
この縁談を進めるって、それって、私と……婚約するということ⁈
「初めて接した日から、君のことが頭から離れない。理由はそれだけじゃ足りない?」
じわじわと熱くなっていた顔面が、とどめを刺されたようにボンっと熱を上げる。
耳まで真っ赤にした私を、成瀬副社長は嘘偽りの見られない真剣な眼差しで見つめていた。