お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
曽根にバレないように、こそこそとメッセージを開く。
【おはよう。手が空いていたら、少し話がしたいから来てほしい】
その内容を目に、あからさまに目を見開いてしまった。
「……須藤?」
「……。え? あ、ううん、なんでもなくて。ちょっと外すね」
スマホを持ったまま、そそくさとデスクを離れていく。
「は? なんだよいきなり」
そんな曽根の声を耳にしながら総務部の島をあとにした。
上階へと向かうエレベーターへと乗り込み、一番奥の壁際で再びスマホの画面を見つめる。
今になってまた、週末にお見合いをした相手はやっぱり成瀬副社長だったのだと思い知らせていた。
でも、話って一体なんだろう……?
この間、仕事で呼び出された時とはまた違った緊張を高めて、副社長室の扉をノックした。
「失礼します」
扉を開くと、この間と同じように奥のデスクについた成瀬副社長がこっちを見て微笑んでいた。